やあイエローモンキーどもこんにちは! 最近の景気はどうだい?
俺? 俺はどこにでもいるBP一桁のしがないホビットシーフだ。
毎日クソ汗臭い野郎どもとクソ迷宮でクソ灰と隣り合わせの青春をエンジョイしてるさ!
ところで、ヤポン(JA○AN)には二の月の真ん中にクールなイベントがあるらしいじゃないか。
なんでも甘ったるいクソの塊みたいな菓子を、セックスしたい野郎に投げつけて
ベッドインの口実を作るビッチのイベントなんだってな?
イカしたイベントじゃねえか。俺の国じゃあストーカー予告の手紙を
大衆の面前で女に開けさせて赤面させるしょっぱいイベントしかねえよ。
まったく東のHENTAI-YOKODUNAの国は伊達じゃねえな!
それも大体女の手料理で、それがめっちゃくちゃウマイって話じゃネエか。
ああ〜隠したって無駄だ。毎夜MOE-MANGAを読み漁ってヤポンの研究している俺には、
そんな国家機密くらい筒抜けなんだよ。
クソ、なんだよそのクソイベントは……女の手料理でしかも美味いとか都市伝説だろそれ。
クソ欲しいよ、俺より九センチくらい小さい可愛い後輩に
「い、一生懸命つくってきましたっ、あ、あの、よかったら、こ、これ、た、たべてくださいいっ」
とか顔真っ赤にされながらスイートルームの俺の部屋の前で渡されてえよクソ……クソッ!!
あ、うん、すまない。スイートルームってのは嘘だ。俺のいつもの部屋は……察してくれ。
それでだ、なんで俺がこんな愚痴をこぼしているのかって言うと、
昨日そのクソイベントがなんと俺のパーティの中で実装されちまったのさ……

前にも言ったけど俺のパーティは一部を除いて揃いも揃って汁気過剰の連中だらけだ。
中でも俺のボスのDWA-NINとかヤバイ。マジでヤバイ。
まずガタイがヤバイ。スカッシュのラケットでボコられてもラケット折れるくらい硬い。
顔もヤバイ。獣っぽいとかそんなヤワなもんじゃない。もう顔で人殺せるレベル。
初対面で話したときに漏らすかと思った。実際10mlくらい漏れた。
まあそんなのがリーダーだといえば他の連中がどんなのかもだいたい想像つくだろう。
ところがね、このクソPTメンのなかに一人だけ目の保養になるエルフプリーストの娘がいるのよ。
この子がもう完全に浮世離れしすぎてて、めちゃくちゃ素直。
他のエルフより彫は浅くて目とか顎とか丸くて子どもっぽいけど、
フードの間からブルネットの前髪を軽く垂らしてるところとかいかにもエルフっぽい。
お察しの通り、加入したての一年前はそりゃ苦労したさ。
連戦緊張しまくりで、位置取り悪いわ、回復タイミング酷いわ、
CALFOがX線だってバラすわ、ダークゾーンで泣きそうになるわで。
隊列上、ダークゾーンでは俺とその子が手を繋ぐことになるんだけど、
てめえの掌も見えない暗闇で移動中のときに、緊張でカチコチのその子が俺の手ぎゅうっと握り締めて涙声で
「シーフ、さん、ちゃんと、握って、ますか」
とか言ってくるんだぜ? ありゃヤバかった。一月使えた。今も使ってる。

ふぅ。まあ、とにかく、そんな彼女も一年で成長したよ。
相変わらず素直でちょっとドジだが、動きもましになったしメンタルも強くなった。
特に胸と尻なんか脅威的だね。北西出身の発育は桁が違うね。
ちっちゃなポッチがいまじゃ立派な山岳地帯だぜ。
ああ、あの白い柔らかなお山にファックして思いっきりすりこみたい。
おっと、悪い、この国じゃそういったDワードは禁止だったっけな!

とまあ、ここまで話しゃあもうお分かりだろうけど、昨日その娘が手製の菓子を用意してたんだ。
酒場で先に待ってるって言うから、これはもしやと思ったら、ビンゴ!
ちょっと疲れた顔したプリーストが綺麗に包装された箱もってんの。
本人隠してるつもりなんだけど箱でかすぎて全然隠れてない。
俺は思ったね。こいつは来たぜ! ってさ。
後からダルそうに来た俺の数倍はMOEに精通してやがるモヤシビショップもニヤケてやがった。モヤシきめえ。
遅れて脳筋コンビのボスとファイターも来たが、でかい箱抱えておどおどしているプリーストに
「さっさと座れ」とか言いやがった。これだからマッチョは気がきかない。
そしたら、プリーストが意を決したようにでかい箱を持って来た。
俺たちの卓に座って開口一番、
「リーダー、あの、き昨日、つ、作ったんですけど、い、いかがですか?」
俺呆然、ビショップも呆然。
なんでもボスがNINJAだからって、わざわざヤポンの文化を勉強して徹夜で作ってきたらしい。
聞けば、半年くらい前からずっと告白しようと思ってたんだと。
そういやプリーストをパーティに誘ったのはボスだった。
最初は俺もうわこれでうちのパーティも毎晩祝祭とか半勃ち……引きまくってたけど
ボスがドワーフの鑑みたいな超堅物、一人娘みたいに過保護にされてた。
部屋も一人だけロイヤルスイートの別室だし、罵声も彼女には気持ち軽め。
ボスは罵声も吐くけど理不尽な怒り方はしないタイプで、それは俺たちに対しても一貫してた。
だから特別待遇とはいっても、彼女にも俺たちにも態度はほとんど一緒。
どうやら彼女はそのへんに惚れたらしい。
でもボスはガチガチの堅物ドワーフ、自分はエルフ、告白してもきっと振られるとずっと踏ん切りがつかなかったそうだ。
ああ、俺も完全に思考停止したさ。一階に迷い込んだフレンドリーマイルフィックに首へし折られて死んだシーフいたけど、
その時の俺の心境はまさにそれ。
その後秒速で立ち直り、振られる→傷心のプリーストを横からゲットという図式が亜光速で脳内をよぎるも、
俺の意に反して礼儀正しく受け取るボス。ボスが箱受け取ったと途端にプリースト顔輝かせて、
「よければ、今夜、一緒に食事でもしません?」
とか言い出してるの。脳筋ボスも、
「金を無駄遣いするな、お前の作ったものでいい」
とかいっちゃってるし。はは。笑っちゃうね。

決めたよ俺。今後“Exploding Box”のトラップだけは絶対はずす。




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